毎朝食べるパン、このパンに実はグリホサートという農薬が残留していて問題になっています。
しかもその残留の原因になっているのは、どうやら小麦。
流石に、いろいろな食品の残留農薬は気になるところですが、小麦は主食ですし、今や日本人で一日に小麦をまったく食さない人はアレルギーでもない限りめったにいません。
ですから、もし、危険なものならば、これはかなり気になる話ですよね。
そこでここでは、そんな食パンに残留しているグリホサートという農薬と、その対処法や安全な食品の手に入れ方について考えます。
グリホサートが小麦製品の約7割からか検出?!
まずはこの衝撃的なニュースからです。
国内販売の小麦製品の7割から農薬グリホサートが検出される
この衝撃的な発表をしたのは農民連食品分析センター。
その報告によれば、日本国内で販売されているパン、パスタなどの小麦製品、それを使った各種食品、そして小麦粉自体からも残留農薬グリホサートが検出。
しかも、パンの場合15商品中11商品、全体で39商品中29商品とその検出率が約7割に達していてというのです。
原因は輸入小麦にある
このグリホサート汚染、実はその原因は輸入小麦にあります。
というのも農民連食品分析センターの今回の調査でも、原産地が米国とカナダのものは、すべての商品からグリホサートが検出されています。
しかし、国産小麦を使った製品からは検出されていません。
ですので、いまのところ問題は、輸入小麦を使った加工品や小麦粉なんですね。
欧米ではすでに問題化している残留グリホサート
そんなグリホサート、欧米ではかなり深刻な問題となっています。
米国では外食の100%からグリホサート
米国では、市民団体「GMO FREE USA」が外食におけるグリホサートの残留を調査。
その外食チェーンは、ダンキンドーナツやマクドナルド、サブウェイやドミノピザなどと日本でも名前を目にする世界的なチェーン店も含まれていたのです。
そして、その結果はなんとすべての商品からグリホサートが検出されるという結果に。
しかも小麦製品だけではなく、飲料からも検出されるという結果でした。
その汚染の度合いは、日本を大きく凌駕しています。
遺伝子組み換え作物に有効な除草剤
アメリカやカナダと言った国は、遺伝子組み換え作物が多く栽培されている国。
そして、そんな遺伝子組み換え作物の中に「除草剤をかけても枯れない作物」というのが多く栽培されていて、そんな作物用の除草剤に含まれているのがこのグリホサートなんですね。
つまり、除草剤で枯れない遺伝子組み換え作物とこのグリホサートはある意味セットのもの。
農業において除草というのは最も手間のかかる作業。
この除草が、遺伝子組み換え作物とグリホサートの組み合わせで、農薬をかけるだけになってしまうのであれば、確かに使わない理由はありません。
こうしてグリホサートの入った農薬は一気にメジャーになったのです。
遺伝子組み換えでない作物は、枯れる
ここで注目なのは、実は小麦は遺伝子組み換え作物ではないということ。
ではなぜ、そんな遺伝子組み換え作物ではない小麦からグリホサートが検出されてしまったのかというと、その原因として考えられるのがプレハーベスト農薬。
プレハーベスト農薬とは、その名の通り収穫直前にまく農薬。
遺伝子組み換えでない作物である麦や豆などは、このプレハーベスト農薬としてグリホサートが散布されると、当然のことではありますが枯れてしまいます。
実はこの枯れるというのが重要なのです。
収穫の手間がぐんと減る
麦にしろ豆にしろ、収穫するのはいわゆる種です。
そして、植物が枯れる寸前に実を結ぶ1年草系の作物に関して言えば、枯れるという事態に直面すると、自然と種を落とそうとするわけです。
しかも、枯れかけている作物よりも枯れきっている作物のほうが収穫が簡単。
なにせ、枯れきってしまうと作物は重量も軽くなりますし、簡単に茎が切れます、そしてさらに簡単に種を、つまり麦や豆を落としてくれるとなれば格段に手間が減ります。
そうつまり、除草剤として登場したグリホサートは、その特徴から別の用途としてさらに発展。
収穫前の穀物を意図的にからして乾燥させることで収穫しやすくするという用途でも使われるようになったのです。
爆発的な広がりを見せたプレハーベスト農薬としてのグリホサート
この本来的なものとは違う使われ方、アメリカではこれを収穫前の雑草防除として認可。
しかしその実態は、収穫をしやすくするためだけに、除草剤を使って作物を枯らすというかなり強引な手法として使われているのです。
農家はこれを乾燥というらしいですが、その実態は、除草剤で作物を殺す作業。
しかも、この方法はあまりに収穫を簡単にするために、米国におけるデュラム小麦(パスタ麦)の99%、春小麦の97%、冬小麦の61%に使われていると言われます。
作物の枯死が早い冬小麦の使用量が少ないあたり、その使用理由が明白と言わざるを得ませんが、つまりほとんどの麦でこれが使われているということ。
これはかなり由々しき事態です。
グリホサートは危険なのか
では、そんなグリホサート、その危険性はどうなのでしょうか
製造会社は安全性を主張
グリホサートを含む除草剤を製造している会社は、軒並みその安全性を強調しています。
これはグリホサートそのものに対するものではありませんが、グリホサートを含む有名な除草剤に関して安全であるという発表です。
日本でこれを販売する日産化学工業は「急性毒性が低く、催奇性、奇形性、発がん性もなく、非常に安全性が高いことが国際的に認められている」と発表。
また、おおもとであるアメリカの開発企業であるモンサントは「モンサントを含む除草剤は飲んでも牛乳と同じくらい安全」と言っています。
また、アメリカ環境省は人にガンをひき起こさない化学物質と位置づけているのです。
先天異常にガン、脂肪肝など様々な被害が指摘される
しかし、様々な研究者や研究機関はこのグリホサートの危険性を指摘しています。
ブエノスアイレス大学医学部分子胎生学研究所長のアンドレス・カラスコ教授は超低濃度のグリホサートを主成分とする農薬でも、カエルや鶏の胚にたいする実験で先天異常が見られたと発表。
アルゼンチン・チャコ州政府は小児ガンや脳腫瘍、先天異常に関連があると発表。
そして2015年にはとうとうWHO(世界保健機関)の専門機関であるIARC(国際ガン研究機関)がグリホサートを発ガン性物質に分類します。
そして2017年ロンドン大学の研究チームが、脂肪肝の原因にもなると発表。
2019年8月には国際産婦人科連合において、ガン、神経発達障害、先天性欠損症との関連が疑われ、また胎盤を通過し胎児に影響を与える恐れがあると発表。
使用を避けるのは社会的義務だとさえ言っています。
それでも日本は大丈夫だと言えるのか?
グリホサートはかなり危険な農薬ではないかと多くの研究者が言っています。
しかし、最初に言ったようにそれは輸入原料だけの話であって国産は関係ないはずです。
国産原料は安全なのか?
まず、現段階では残留農薬は見つかっていないため安全だと言っていいでしょう。
それこそ日本には遺伝子組み換え作物に対する拒否感がまだ根強く残っているため、その栽培は研究用にとどまっていて商業用にはほとんど作られていません。
グリホサートは遺伝子組み換え作物用の除草剤に含まれる成分ですから、日本でこれが検出されないのも当然のことです。
また、今の所、プレハーベスト農薬としても使われていません。
安全と言っていいでしょう。
今後も安全だとは言い切れない
しかし、今後も安全だとはとてもいいきれません。
ひとつには、遺伝子組み換え作物に対する拒否感が日本人の中になくなれば、グリホサートを含む除草剤はあっという間に日本に広まることが予測されるからです。
そうなれば、プレハーベスト農薬としても使われるかもしれません。
しかも、さらに恐るべき事態が待ち構えているかもしれないのです。
それが、なんと、世界で規制され始めているという一見嬉しいニュースがその原因なのです。
世界で規制される
危険性が懸念視されてきたグリホサート。
結果、2003年グリホサートを含む除草剤を地下水汚染の原因になるとしてデンマークが散布を禁止。
2012年には、グリホサートを含む除草剤を庭や芝生で使用することをカナダが全州で禁止。
2014年にはグリホサートを含む除草剤の使用禁止がスウェーデンやノルウェーで、2015年にオランダでグリホサートの使用禁止が、同年ブラジルでも暫定的な使用禁止に踏み切りました。
また、2019年にはフランスで、グリホサートを含む除草剤を個人向けに販売禁止に、ドイツ、イタリア、オーストリアなど33カ国もの国で2~3年以内の使用禁止が予定されています。
また輸入禁止の動きも加速。
マラウィやベトナムなどのアジア五カ国ではグリホサートの輸入が禁止されています。
そう、グリホサートは、米国を除く世界中で風前の灯になりつつあるのです。・
日本ではなぜか規制緩和が行われる
世界中で規制が始まるという嬉しいニュース。
米国ですら、その危険性が叫ばれ始め、週単位での規制や損害賠償が認められるなど、グリホサートは衰退の方向に向いています。
ところが、なぜか日本では2017年にグリホサートを含む除草剤の使用が大幅規制緩和。
小麦で6倍、そばに置いては150倍、ベニバナの種子に至っては400倍という相当思い切った規制緩和が行われ、グリホサートの規制値が中国産を超えるという事態になっています。
さらに、なんの規制もないため、ホームセンターにはグリホサートを含む除草剤が並べられ、安心安全な除草剤として大人気をはくしています。
そう、今、日本だけがグリホサートを含む農薬の天国となりつつあるのです。
世界であまったグリホサートが日本へ?!
これまでグリホサートを含む除草剤は、除草剤においては世界でトップシェアを誇るものでした。
しかし、世界で規制がされ始めることで、その生産ラインは縮小せざるを得ませんし、当然のことながら、商品も余剰をきたしてしまいます。
しかし、ここに日本という、まったく規制しないどころか大幅に規制緩和するという得意な国があるのです。
となれば、結果は見えていますよね。
もしかしたら今後、日本は世界中で拒絶されたグリホサートの溢れる国になってしまうかもしれないのです。
食の安心は自分でつかむ
日本でもこの先危ないかもしれないグリホサート残留問題。
国は規制緩和してしまうわけですし、もう頼れるのは自分しかありません。
今は原産国表示だけでいい
いまのところ、国産小麦からはグリホサートは見つかっていません。
ですから、原産国表示さえしっかり見ていれば、グリホサート残留を気にせずに食品を手に入れることはできます。
ただ、現在日本の小麦自給率は平成30年度でなんと12%(カロリーベース)。
確かに原産国表示を見れば簡単ではありますが、そもそも国産小麦事態が圧倒的に少ない現状を考えると、実質簡単だとは言えないですね。
今後は国産も危ないかもしれない
そして、ここまで説明してきたように、日本は今後危なくなる可能性があります。
しかも、遺伝子組み換えかどうかの表示が義務付けられている日本ではありますが、プレハーベスト農薬として使われ始めればそれも意味をなしません。
そうなってくると、もう、店頭で裏の表示を見たくらいのことでは判別は不可能なのです。
個人ではどうにもならない
グリホサート残留作物を口に入れたくない。
しかし、国産小麦は全体の12%しかなく、しかもこの先、国産小麦こそがグリホサートにおいては危険かもしれないという状態。
そしてそれは、パッケージを見てもわかるものではない。
こうなってくると、もはや個人の力でグリホサート残留食材を使った商品を判別し、それを避けるなどということは事実上不可能となってきます。
しかし、それはあくまで、個人では、です。
専門性の高い団体にお願いする
個人では、グリホサート農薬の被害から免れるのは難しい。
そうなってきた時、頼りになるのが、専門的な調査機関を独自で持っている団体で食品を購入するという手段です。
グリホサートは、残留農薬の検査をすることでしっかりと発見することができます。
これは何もグリホサートだけではなく、有害な物質に関して言えば、食品検査を実施さえすれば殆どのものは見つけることができるのです。
つまり、そういった調査を行っている団体で食材を買えば、グリホサートどころか他の農薬も怖くはないということになるんですね。
任せて安心!生協の「コープデリ(co-opdeli)」と「パルシステム」
食の安全を日本で語る時、忘れてはならないのが生活協同組合、生協です。
生協が取り組む食の安全
日本において生活協同組合、生協は安心安全な食品の代名詞とも言えます。
まだ日本において食の安全が定着していなかった1972年には、もう独自の商品検査センターを設立するなど、その活動はまさに日本の食の安全の先駆け。
そこから、有機栽培をはじめ低農薬など、様々な取り組みを実施している生協。
日本政府の消費生活センターができたのが同じ時期の1970年ですからその速さは特筆すべきものです。
コープデリとパルシステム
そんな生協の宅配システムと言えば「コープデリ」と「パルシステム」
家にいながらにして、生協が厳選してくれた安全安心な食品はもちろんのこと、様々な生活用品も手に入るというサービスです。
ちなみにコープデリは、いわゆる普通の生協の宅配。
パルシステムは、より品質を重視した生協の宅配と考えて大きく違いはありません。
豊富な種類と頑張った価格がコープデリ
コープデリはいわゆる普通の生協の宅配と考えていいでしょう。
ですので、その種類は豊富で、さらには、安全安心と品質を保った状態で、できる限りお値段を頑張っているお得な宅配サービスです。
夕食宅配なども便利ですし、普段遣いにはかなり便利なサービスですね。
品質重視で赤ちゃんに優しいパルシステム
パルシステムは、品質特価型の生協の宅配。
もちろんそれだけに若干お値段はかかりますが(とはいえ品質から考えると安い)その高い品質は、安心安全を超えた品質です。
また、この品質の高さから離乳食が豊富なのも嬉しいところ。
赤ちゃんのいるご家庭で、赤ちゃんには間違いのない食品を!と思っているのであればパルシステムはかなりありがたいですよ。
結論:グリホサート問題は生協の宅配で回避
パンの残留農薬として話題になったグリホサート問題。
特定の除草剤の名前はだしませんでしたが、これが日本で規制されるのはのぞみ薄手、しかも今後さらに使用量は増えていくかもしれません。
個人ではどうにもできない、この対策。
しかし、生協の宅配であるコープデリとパルシステムを使えば、その問題も回避できるかもしれません。
便利なサービスを便利に使って、自分の身は自分で守る。
これが、これからの安全な食生活の基本になるかもしれませんね。