アセスメント例文

【看護実習に役立つ】ヘンダーソン14項目アセスメント(2)『適切に飲食する』

ヘンダーソン14項目とは?

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ヘンダーソンが『看護の基本となるもの』の中で挙げた、人の基本的欲求と基本的看護の構成要素と呼ばれる14の基本的ニードの項目をいいます。

1、正常に呼吸する
2、適切に飲食する
3、あらゆる排泄経路から排泄する
4、身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する
5、睡眠と休息をとる
6、適当な衣類を選び、着脱する
7、衣類の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に維持する
8、身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
9、環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする
10、自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ
11、自分の信仰に従って礼拝する
12、達成感をもたらすような仕事をする
13、遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
14、”正常”発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる

今回は2、『適切に飲食する』について書いていこうと思います。

 

 『適切に飲食する』のアセスメントの視点

アセスメントの視点

①必要な栄養が取れている

②楽しく食べられ満足感がある

 

①必要な栄養が取れている状態とは?

入院中の患者さんであれば、病院食の摂取量が一番に浮かびます。
でもそれだけでは、栄養状態をしっかりアセスメントすることはできません。
では、どんな情報を収集すれば良いかというと・・・

 

BMI

まず患者さんがどのような体格であるかアセスメントします。
それを簡単にわかる方法がBMIです。

 BMI=体重kg÷(身長m×身長m)

BMI 判定
〜18.5未満 低体重(やせ型)
18.5〜25未満 普通体重
25以上 肥満

例えば、身長160cm、体重50kgの人は、50÷(1.5 × 1.5)=22.22222......

小数点を切り捨てて、BMI22の普通体重と判定できます。

 

また、低体重の判定であれば、同時にエネルギー摂取の不足の恐れが推測できます。

同様に、肥満の判定であれば、エネルギー摂取の過剰の恐れが考えられます。

 

基礎代謝量・必要エネルギー量

次に、体格にあった必要摂取カロリーを摂取できているかどうかをアセスメントします。

推定必要エネルギー量計算式

推定必要エネルギー量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)× 身体活動レベル

基礎代謝量=基礎代謝基準値(kcal/kg/日)× 体重(kg)

例えば、体重50kgの30歳女性の基礎代謝量を上記計算式に当てはめて計算してみると・・・

基礎代謝量=基礎代謝基準値21.7(下記表参照)× 50kg=1085kcal/日

 

年齢 男性の基礎代謝基準値(kcal/kg/日) 女性の基礎代謝基準値(kcal/kg/日)
18〜29歳 24.0 22.1
30〜49歳 22.3 21.7
50〜69歳 21.5 20.7
70歳以上 21.5 20.7

次に、この基礎代謝量を推定エネルギー必要量の計算式に当てはめると・・・

推定必要エネルギー量=1085kcal/日 × 身体活動レベルで計算できます。

身体活動レベルは、下記表の『低い』『ふつう』『高い』の3つのうちから、最も近い状態の数値を選んで計算します。

身体活動レベル 計算式に当てはめる数値 日常生活の内容
低い  1.50  生活の大部分が座った状態で過ごし、静的な活動が中心の場合
 ふつう 1.75  主に座って行う仕事だが、職場内での移動や立って行う作業・接客等、通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
高い 2.0 移動や立って行う仕事が多い従事者。あるいは、スポーツなどの余暇における活発な運動習慣を持っている場合

体重50kgの30歳女性の身体活動レベルが低い場合の計算式は、

推定必要エネルギー量=1085kcal/日 × 1.5=1627.5

小数点以下を切り捨てして、1627kcalとなります。

 

体重減少率

現在BMIが普通体重の判定であっても、体重が6ヶ月で2、3kg減少した、または1〜6ヶ月間の体重減少率が3%以上であると低栄養のリスクがあります。
そのため、必要な栄養が取れている状態では、体重減少率が3%未満である必要があります。

体重減少率(%)=(通常の体重ー現在の体重)÷通常の体重×100

血液検査データでいうと、総蛋白(TP)アルブミン(Alb)ヘモグロビン(Hb)血中総コレステロールが正常範囲内であると、栄養状態良好と判断できます。

 

これをふまえて架空人物でアセスメントを書いてみます。

 

『必要な栄養が取れている』状態のアセスメント例文

対象者様の体重は、半年前と変わらず体重減少率3%未満であり、BMI22と正常であること、病院食を全量摂取できていることから、必要な栄養が取れていると考えられる。

また、血液検査データの総蛋白、アルブミン、ヘモグロビン、血中総コレステロールは正常範囲内であるため、このことからも栄養状態は良好と考えられる。

 

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『必要な栄養が取れていない状態』のアセスメント例文

消化器癌による低栄養状態などのアセスメント例文はこちら↓

【看護実習に役立つ】消化器癌ヘンダーソンアセスメント例文 栄養

 

②楽しく食べられ満足感があるとは?

入院患者さんでは、食欲不振に陥っていることがあります。

その場合には、なにが原因で食欲が減退しているのかを考えていくことで、よりよい看護につながっていきます。

食欲不振の原因
  • 中枢性・内臓性食欲不振症などの原因疾患
  • 食欲不振を起こす疾患(胃炎、うつ病、腫瘍など)
  • 摂取行動に必要な動作の障害
  • 放射線療法などによる副作用
  • ストレスなどによる精神的苦痛
  • 嗜好品の過剰摂取
  • 活動量の低下  など

では、これをふまえて架空人物でアセスメントを書いてみると・・・

 

『楽しく食べられ満足感がない』状態のアセスメント例文

脳腫瘍末期の対象者様は、癌性疼痛に対してモルヒネを内服しているため、モルヒネの副作用によって吐き気、食欲不振になっていると考えられる。
また、慣れない入院生活や疾患に対するストレス、活動量が低下したことからも食欲が減退したと考えられる。

肝癌末期の対象者様は、癌の浸潤に伴い肝臓内外の血液・リンパ系の流れに異常が起きていることや低蛋白血症により血漿膠質浸透圧の低下が起きているため、腹水貯留してきていると考えられる。
この腹水貯留によって胃を圧迫していることが食欲不振につながていると考えられる。
また、腹水は同時に肺や横隔膜へも圧迫しているため、これが肺換気量を低下させ、食事中に呼吸苦が出現していると考えられる。
これらのことから、対象者様は食欲不振が生じ、満足感のある食事摂取ができていないと考えられる。

 

どうしても書き方がわからない場合

例文をいくつか紹介しましたが、担当患者さんによってアセスメント内容は違ってきます。

担当患者さんのアセスメントの書き方でわからないことがある場合は、まず先生に相談しましょう。

もし先生にも相談しにくい場合は、ネットで実際に経験をつんだ看護師に相談できる『ココナラ』というサイトがあります。

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次は、3、『あらゆる排泄経路から排泄する』についてアセスメント例文を書いていきます。

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