ヘンダーソン14項目とは?
ヘンダーソンが『看護の基本となるもの』の中で挙げた、人の基本的欲求と基本的看護の構成要素と呼ばれる14の基本的ニードの項目をいいます。
1、正常に呼吸する
2、適切に飲食する
3、あらゆる排泄経路から排泄する
4、身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する
5、睡眠と休息をとる
6、適当な衣類を選び、着脱する
7、衣類の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に維持する
8、身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
9、環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする
10、自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ
11、自分の信仰に従って礼拝する
12、達成感をもたらすような仕事をする
13、遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
14、”正常”発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる
今回は5、『睡眠と休息をとる』について書いていこうと思います。
『睡眠と休息をとる』のアセスメントの視点
①休息や睡眠が自然にとれる
②ストレスや緊張感からの開放感がある
①休息や睡眠が自然にとれるとは?
休息や睡眠を妨げている状況はないか、活動と休息のバランスをみていきましょう。
睡眠周期
睡眠周期の種類 | 特徴 |
ノンレム睡眠 | 脳を休ませる眠り |
レム睡眠 | 身体を休ませる眠り |
睡眠中にレム睡眠とノンレム睡眠が交互に起こり、これを1セット約90分で繰り返している。
睡眠障害
睡眠障害 | 特徴 |
熟眠困難 | 十分に眠れた感覚が得られない |
入眠困難 | 寝つきが悪い |
中途覚醒 | 睡眠中に何度も目が覚める |
早朝覚醒 | 朝早くに目覚める |
睡眠や休息を妨げる要因
- 臭い
- 騒音(不快な物音)
- 照明
- 室温
- 同室患者との関係
- 住み慣れた家との違い など
- 空腹
- 良肢位困難
- 疼痛
- 掻痒感
- 見当識障害
- せん妄
- 疲労
- 頻尿、失禁 など
他にも、心理的要因として神経質な性格であったり、活動意欲低下によって寝過ぎていたりなどが考えられます。
『休息や睡眠が自然にとれない』状態のアセスメント例文
睡眠の質の低下
初めての入院、手術による不安、住み慣れた家との違いなどの環境の変化から休息や睡眠が自然にとれていない状態と考えられる。
また、術後はルート類の存在により良肢位をとれないことや手術創の疼痛により睡眠の質に悪影響を与えてしまうと考えられる。
傾眠+昼夜逆転リスク
眠前の短時間型睡眠薬(レンドルミン)内服しているが、効果持続時間が7時間と長いことに加えて、高齢になると薬代謝時間が延長することも考えられるため、日中も催眠作用持続による傾眠リスクが考えられる。
また、日中寝てしまうことが、夜間の覚醒につながるため、昼夜逆転する恐れがあると考えられる。
おすすめ参考書
情報収集から分析、関連図、看護問題までの展開をヘンダーソン、ゴードン、NANDAの枠組で解説してくれているので、とってもわかりやすいです!
②ストレスや緊張感からの開放感があるとは?
入院患者さんは、疾患による身体の変化や入院という環境の変化など多かれ少なかれストレス、緊張状態にあります。
何が一番のストレスになっているのかをしっかり分析することが大切です。
『ストレスや緊張感からの開放感がない』状態のアセスメント例文
多床室であり、同室者の独語や物音で、ストレスからの開放感がない状態であると考えられる。
また、術後で、毎食後の鎮痛剤によって持続痛は消失しているが、体動時にはNRS4〜5と疼痛があることから、活動時の疼痛によるストレスや緊張感からの開放感がない状態と考えられる。
これらのことから、十分に休息がとれていないと推測される。
どうしても書き方がわからない場合
例文を紹介しましたが、例えば担当患者さんの性格や既往歴など少し情報が違うだけでもアセスメントの内容は変わってきます。
担当患者さんのアセスメントの書き方でわからないことは、まず先生に相談してみましょう。
もし先生に相談しにくいという場合には、実際に経験をつんだ看護師にネットで相談できる『ココナラ』というサイトもあります。
ココナラとは、知識・経験・スキルを売り買いできるフリーマーケットです。
看護のことに関しては、看護実習のアセスメントや授業の質問などを受け付けている方などたくさんいるので、諦めてしまう前に一度のぞいてみてはいかがでしょうか。
次は『6、適当な衣類を選び、着脱する』についてアセスメント例文を書いていこうと思います。
・【看護実習が楽になる】記録が進まない、やる気がしないときの対処法
・ヘンダーソンアセスメント例文(3) 身体の老廃物を排泄する
・ヘンダーソンアセスメント例文(4)身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する
・ヘンダーソンアセスメント例文(6)適当な衣類を選び、着脱する
・ヘンダーソンアセスメント例文(7)衣類の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に維持する
・ヘンダーソンアセスメント例文(8)身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
・ヘンダーソンアセスメント例文(9)環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする
・ヘンダーソンアセスメント例文(10)自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ
・【看護実習が楽になる】実習中におすすめの便利な商品・時短生活応援グッズ8選
・ヘンダーソンアセスメント例文(13)遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
・ヘンダーソンアセスメント例文(14)”正常”発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる
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