ヘンダーソン14項目とは?
ヘンダーソンが『看護の基本となるもの』の中で挙げた、人の基本的欲求と基本的看護の構成要素と呼ばれる14の基本的ニードの項目をいいます。
1、正常に呼吸する
2、適切に飲食する
3、あらゆる排泄経路から排泄する
4、身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する
5、睡眠と休息をとる
6、適当な衣類を選び、着脱する
7、衣類の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に維持する
8、身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
9、環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする
10、自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ
11、自分の信仰に従って礼拝する
12、達成感をもたらすような仕事をする
13、遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
14、”正常”発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる
今回は7、『衣類の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に維持する』について書いていこうと思います。
『衣類の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に維持する』のアセスメントの視点
①体温が生理的範囲内である
②体温調節に努めることができる
体温が生理的範囲内であるとは?
成人の正常体温は、腋下温で約36.0〜36.9℃である。
体温差(部位別)
直腸温>口腔温>腋下温
直腸温ー口腔温=0.4〜0.6℃
直腸温ー腋下温=0.8〜0.9℃
熱型
型 | 定義 | 例 |
稽留熱 | 日差1℃以内の持続する高熱 | 肺炎 |
弛張熱 | 日差1℃以上、低いときでも正常にならない | 悪性腫瘍 |
間欠熱 | 日差1℃以上、最低が平熱のこともある | マラリア |
二峰熱 | 発熱が初期に一度下がり、再び上昇する | デング熱、麻疹 |
波状熱 | 有熱期と無熱期が不規則に交互にみられる | 回帰熱 |
不定熱 | 熱の高低、持続に一定の傾向がない | 種々の疾患 |
発熱の原因
- 感染症
- 膠原病
- 悪性腫瘍
- 熱中症
- 悪性症候群
- 脳外傷 など
発熱による随伴症状
- 頭痛
- 心拍数、脈拍数増加
- 血圧低下
- 口渇、尿量減少
- 倦怠感
- 熱感、発汗
- 立毛、戦慄
- 食欲低下 など
『体温が生理的範囲内でない』状態のアセスメント例文
腋下体温37.6度は、正常範囲が36.0〜36.9度であるので今は正常範囲内でないといえる。
人工膝関節置換術で全身麻酔することにより術中には体温調節しにくい状態になるので低体温や高体温になる恐れがある。
また、術後は手術創があることにより、37.5℃までの微熱になることがあるが、創部から感染するとそれ以上に発熱する恐れが考えられる。
他にも持続点滴やドレーン類の留置により感染を起こすリスクがある。
そのため、感染徴候とあわせて体温をしっかり観察していく必要がある。
体温調節に努めることができるとは?
『体温調整に努めることができる』状態のアセスメント例文
環境調整においては運動機能障害なく自己にて自室を動くことができるため、空調を操作したり布団をかけたりして体温調整につとめることができる状態であると考えられる。
『体温調整に努めることができない』状態のアセスメント例文
体動時の疼痛や、持続点滴、膀胱留置カテーテル挿入中により、自己にて起き上がる動作や着脱動作することが困難であるため、体温調整に努めることができていない状態であると考えられる。
より良いアセスメントにするには
色々な要因から体温を正常に保てなくなることがあるため、『体温を正常範囲に維持する』ことは入院患者さんにとって当たり前でないことがわかりました。
アセスメントをするときには、なぜ体温が正常でないのか、なぜ感染リスクがあるのかなど、根拠をしっかり追求していく姿勢がよりよいアセスメント記録になることと思います。
諦めずに記録を書き続けましょう。
どうしても書き方がわからない場合
少しだけ例文を紹介しましたが、例えば担当患者さんの血液検査データや既往歴など少し情報が違うだけでもアセスメントの内容は変わります。
担当患者さんのアセスメントの書き方でわからないことは、まず先生に相談してみましょう。
もし先生に相談しにくいという場合や急を要する場合には、実際に経験をつんだ看護師にネットで相談できる『ココナラ』というサイトもあります。
ココナラとは、知識・経験・スキルを売り買いできるフリーマーケットです。
看護のことに関しては、看護実習のアセスメントや授業の質問などを受け付けている方などたくさんいるので、諦めてしまう前に一度のぞいてみてはいかがでしょうか。
・【看護実習が楽になる】記録が進まない、やる気がしないときの対処法
・ヘンダーソンアセスメント例文(3) 身体の老廃物を排泄する
・ヘンダーソンアセスメント例文(4)身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する
・ヘンダーソンアセスメント例文(6)適当な衣類を選び、着脱する
・ヘンダーソンアセスメント例文(7)衣類の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に維持する
・ヘンダーソンアセスメント例文(8)身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
・ヘンダーソンアセスメント例文(9)環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする
・ヘンダーソンアセスメント例文(10)自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ
・【看護実習が楽になる】実習中におすすめの便利な商品・時短生活応援グッズ8選
・ヘンダーソンアセスメント例文(13)遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
・ヘンダーソンアセスメント例文(14)”正常”発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる
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