【看護実習に役立つ】ヘンダーソン14項目アセスメント(10)『自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ』

ヘンダーソン14項目とは？

ヘンダーソンが『看護の基本となるもの』の中で挙げた、人の基本的欲求と基本的看護の構成要素と呼ばれる14の基本的ニードの項目をいいます。

1、正常に呼吸する
2、適切に飲食する
3、あらゆる排泄経路から排泄する
4、身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する
5、睡眠と休息をとる
6、適当な衣類を選び、着脱する
7、衣類の調整と環境の調整により、体温を正常範囲に維持する
8、身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
9、環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする
10、自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ
11、自分の信仰に従って礼拝する
12、達成感をもたらすような仕事をする
13、遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
14、”正常”発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる

今回は10、『自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ』について書いていこうと思います。

『自分の感情、欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつ』のアセスメントの視点

自分の欲求、興味、希望などを十分に自分の身体の上に表現できるとは？

表現するために必要なものは何か

• 言葉
• 表情
• 涙
• 姿勢
• 聴力・視力
• ボディーランゲージ
• 適切な表現をするための理解力・認知機能
• 行動　　　　など

まわりの人々に理解してもらえるとは？

人間は、様々なコミュニケーションにてお互いを理解したりしてもらえたりしています。

そのため、まずコミュニケーションが良好に行えている状態かどうかをアセスメントすることで、『まわりの人々に理解してもらえる』かがわかってくると考えます。

充足アセスメント例文

①『自分の欲求、興味、希望などを十分に自分の身体の上に表現できる』という状態のアセスメント例文

言語機能障害がないので言葉を正常に発語することができる。

また、認知度は正常であるため現在自分がおかれている状況や自分の欲求や感情を表現することができていると考えられる。

言っていることと表情が違ったりコミュニケーションが成立していないことがあるが、対象は表情や手ぶりといった非言語的コミュニケーションなども用いて意志表出をすることができている。

未充足アセスメント例文

①『自分の欲求、興味、希望などを十分に自分の身体の上に表現できない』という状態のアセスメント例文

遅発性ジストニアにより呂律がまわず、言葉を正常に発語することができていない可能性があると考えられる。

②『まわりの人々に理解してもらえない』という状態のアセスメント例文

対象は統合失調症患者であり幻聴や妄想といった症状が出現しているため、不安や恐怖、不信感を常に抱え、周りの人たちとの関係を遮断してしまっている。

このことから、コミュニケーション能力が乏しく、良好な人間関係が築けないリスクがあると考えられる。

前頭葉にはブローカー野があり、この部位は運動性言語中枢であるため理解はできるが返事がうまくできないという特徴がある。

対象も『はい』、『いいえ』で答えられる閉じた質問や簡単な質問には答えられるが、開けた質問には話が噛み合わないことがあったため、今後もコミュニケーションが成立しないことがあると考えられる。

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どうしても書き方がわからない場合

例文をいくつか紹介しましたが、担当患者さんによってアセスメント内容は違ってきます。

担当患者さんのアセスメントの書き方でわからないことがある場合は、まず先生に相談しましょう。

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