心臓の役割は?
心臓には、全身に血液を送り出すポンプの機能があります。
毎分60〜100回の収縮をして酸素が豊富な血液を絶えず送り出しています。
目次
心不全って何?
心不全とは、血液を全身に送り出す心臓のポンプ機能が不十分になった状態をいいます。
心不全になると全身に送り出す血液量(心拍出量)が低下します。
心拍出量が低下して、血液が全身へ送られなくなると私たちは生命の危機に陥りますが、心拍出量を維持する為の代償機能が働いているうちは、生きていくことができます。
- 心臓を拡大させて、ポンプ機能が低下した心臓でも血液をたくさん送り出せるようにします。
- 1回の心拍出量が減少した分、心拍数を増加させることで血液をたくさん送り出せるようにします。
心不全になる原因は?
- 心血管疾患(狭心症、高血圧症、不整脈など)、内分泌疾患(糖尿病、脂質異常症、肥満など)、腎疾患などの基礎疾患の悪化
- 上記基礎疾患に加えて、過労、ストレス、暴飲暴食、喫煙、肥満、睡眠時無呼吸などの心臓負荷
心不全の症状は?
右心不全症状
- 全身うっ血(下腿浮腫)
- 体重の増加(2kg/日)
- 頚静脈怒張(臥位でなくても怒張)
- クスマウル徴候
- 肝頚静脈反射
- 肝腫大
- 食欲不振
- 呼吸困難
- 労作時息切れ
- 喘鳴
- 血性泡沫性痰
- 肺野湿性ラ音
- 動悸
- 尿量低下
- 血圧低下
- 易疲労感
- 頻脈
- チアノーゼ
in out観察なぜ必要?
尿量の減少など、outが少なくなると、その分の水分は全身浮腫、胸水貯留となるので、呼吸器症状が出現したり、全身状態が悪化するリスクが高くなります。
また、outが多くなったり、inが少なすぎたりすると、循環血液量の低下から心拍出量の低下につながり、これも心不全症状悪化、各臓器の機能不全リスクが高くなります。
心不全患者の看護問題とは?
#心拍出量低下とガス交換障害に関連した活動耐性低下リスク
#不適切な保健行動による心不全の急性憎悪リスク
#呼吸困難などの心不全症状による活動と休息のリズム障害
#尿量減少に伴う尿路感染症リスク
#病状悪化や今後の生活などに対する不安 など
心不全のアセスメント例文
肺うっ血
心不全による心拍出量低下により、血圧低下、頻脈、チアノーゼが出現している。
また、労作時の息切れや呼吸困難感は、左の心拍出量低下による左房圧上昇で肺うっ血が生じているため現れている症状と考えられる。
不整脈による急変リスク
腎血流量低下による尿量減少もみられ、心不全症状が著明にみられている。
今後、心不全悪化に伴い心房細動、心室頻拍などの不整脈出現リスクが考えられ、それに伴い、急変する恐れも高くなると推測する。
梗塞リスク
心臓のポンプ機能低下に伴い、心臓内によどみができて血栓形成する恐れがあるため、肺梗塞や脳梗塞などの全身塞栓症リスクも高くなると考えられる。